ヒトの多様性 - 宮内社会保険労務士事務所|東京都港区新橋の社労士

○ ヒトの多様性

例えばですが、皆さんは、年越しそばを召し上がりますか。

 

召し上がる方は、どのような年越しそばでしょうか。

 

年越しそばについて、こんなお話があります。

 

 

【大晦日:お蕎麦屋さんへの電話注文でのやりとり】

 

客:○○(住所)の○○(氏名)です。 

店:毎度、ありがとうございます! 

客:年越しそばの出前をお願いします。 

店:はい、年越しそばですね!ありがとうございます! 

客:では、よろしくお願いします。

 

 

【夕方:出前が届いたときのやりとり】

 

店:○○(店名)です! 

客:お世話様です。 

店:天ぷらそばをお持ちしました。 

客:え!?年越しそばを頼んだのですが? 

店:はい、年越しそばの天ぷらそばです。 

客:年越しそばといったら、もりでしょう! 

店:いえ、年越しそばといったら、天ぷらそばです!

  

 

いかがでしょうか。

 

行き違いの原因は、以下のような理由によります。

  

① 両者ともに、年越しそばが地域、家庭、人によって異なる可能性を認識していなかった。

② お互いに確認をしなかった。

③ 両者が自己の正当性を主張し、口論となった。

 

つまり、回避するためには、以下が必要であったと言えます。

 

① どちらか一方が定義の曖昧さや、多様性を認識している。

② 定義の曖昧さがなどがあれば、事前に確認をする。

③ 闇雲に口論をするのではなく、行き違いの原因を確認するなど、解決を図る。

 

特に③について、互いに自説を通そうとすれば、もはや自己満足のための口論であり、「出前とは関係のない論点」で両者が向き合うこととなり、水掛け論になりかねません。

 

その間、客は年越しそばを食べられず、店は繁忙期に出前が停滞します。

  

このようなお話、職場にありませんか。

 

認識・確認不足によるトラブルや、個人の価値観の押し付けなどによる「仕事に関係のない論点」での無用な口論で、人間関係を悪化させていませんか。

 

もしくは、「仕事への支障が少ないこと」について、過剰にエネルギーを消費していませんか。

 

個人間の相互理解が進めば、こうしたトラブルを軽減することが可能です。

 

ただし、相互理解の上でも、職場において尊重されるのは多様な個人の価値観ではなく、職場の価値観です。

 

また、職場の価値観は、社会的な価値観と整合性が取れていなければなりません。

 

個人と職場と社会の価値観、多様性の理解、これからの労務管理でのキーワードだと思います。

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