○ パワハラについて

平成26年6月に岡山県貨物運送事件(従業員が適応障害から自殺し、遺族が提訴)の控訴審判決で、上司のパワハラを認め、会社と上司に約6,900万円の支払いが命じられました。

 

パワハラについては、「指導」なのか「パワハラ」なのか、という線引きの難しさから、どちらかというと認定には消極的でしたが、精神疾患等との因果関係から、最近は、かなり認められるようになってきたと感じます。

 

これは、平成23年12月に新たに定められた「心理的負荷による精神障害の(労災)認定基準」などが影響しているものと思われます。

 

パワハラが認められれば、加害者はもちろん、会社としても使用者責任、安全配慮義務、職場環境調整義務などが問われます。

 

こうしたトラブルの背景には、職場内での、メンタルヘルスに関する知識不足、認識の甘さがあるように思います。

 

メンタルヘルスは、外傷のように一目瞭然にわかるものではありません。

 

それだけに、メンタルヘルス不調予防の取り組み、適切な対応、手続きが、きちんと積み重ねられているかどうかがポイントになります。

 

職場におけるメンタルヘルスについては、企業としてのリスクヘッジだけではなく、働きがいのある生産性の高い職場づくり、競争力強化、企業価値向上の一環として、積極的に取り組んでいただければと思います。